伝わる話し方&聴き方の専門家 小紫真由美です。
紅葉、見に行ってきました。新潟市の旧齋藤家別邸。しばし日常を忘れ、
錦絵のような世界にうっとりしました。
さて・・・今から十数年前。
ある料理教室の先生を取材させていただいたときのことです。
旬の素材を活かし、簡単で美味しい「主婦目線」レシピが人気の方で、
当時はメディアにもたびたび登場していました。
取材が一段落したとき、
先生とスタッフの方が話し始めました。
話題は、先生が企画した、「ケークバイキング」の内容。
(バイキングとは、ご存知のように、定額を払えば、時間内に好きなだけ、好きなケーキを食べられるというものです)
何気なく会話を聴いていた時、
ケーキのレシピを指示する先生の言葉が耳に飛び込んできました。
「バイキングのときは、ケーキに砂糖を沢山入れたらいいのよ。いつもより多く。
そうしたら、甘いから、(お客さんが)そう何個も食べられなくなるから。」
・・・これを聴いた瞬間、私は、なんとも複雑な気分になりました。
確かに、販売する側の立場からすると、お客様が食べるケーキの数が少ないほど、お店の回転率も上がり、売り上げもあがるでしょう。
食べ放題とはいえ、おなじお客様にずっと居座られては、採算が取れないかもしれません。
でも・・・
その先生がいつも言っていた「お料理は、健康のもと。元気のもと。」という言葉と
「ケーキをうんと甘くしたら、気持ち悪くてそんなに食べられないわよ。」という言葉が
矛盾していて、正直、がっかりしたのです。
「商売だから、それもしかたない。」
「ビジネスだから儲けてなんぼ。」という考えもあると思いますが、
私は、違うなあ。
本当にお客様のことを思うなら、もっとやり方があったはず。
そのやり方を考え続けることが、ビジネスだと、十数年たった今も、そう思います。
(写真はイメージです)