伝わる話し方の専門家、小紫真由美です。
参院選の投票日が近付き、
連日、街中を各党・候補者の選挙カーが走っています。
さて、選挙カーと言えば、アナウンス。
仕事柄、選挙があるたび
候補者やウグイス嬢の方が、何をどう話すか気になるのですが、
正直、
「これでは有権者の心に届くどころか、逆効果なのでは?」
と思うことが少なくありません。💦
今回は、特に気になる点を2つお伝えします。
(※特定の政党や候補者のことを指しているわけではありませんので、ご承知おきください。)
気になる点1つ目。
それは、大きな(大きすぎる)声での叫ぶような連呼。
「〇〇〇〇をどうぞお願いいたします!」、「ご支援をお願いします!」
といった言葉をひたすら繰り返しても、
「一生懸命やっています」というアピールにはなるかもしれませんが、
聴く側の心に響くかどうかは・・・微妙なところです。
なぜなら、候補者の名前を除けば、他の候補者と何ら変わらないセリフだからです。
むしろ、高いトーンの声を繰り返しを聴かされることを
不快に思う人もいるのではないでしょうか。
たとえば、
選挙カーが通る街に、
体の具合が悪く臥せっている人や、赤ちゃんをようやく寝かしつけた人が暮らす人が存在することを
どれぐらい意識しているか。
意識していれば、声のトーンも、話す内容も「どこでも同じ」にはならないと思うのです。
2つ目の気になる点。
それは、定番のように繰り返されるコメント。
具体的には
「ご支援をお願いします。」「皆様のお力で〇〇〇〇を押し上げていただきますよう
お願いいたします。」
といった言葉です。
選挙のたびに思います。
「有権者に(票を入れてと)支援を求める気持ちは分かるけれど、本当に大事なのは、
『立候補者が、有権者のために、または有権者と共になにを実現していくか』ということでしょう」と。
私たちが一番聴きたいことは、
「この人に投票したら、自分たちの暮らす地域や未来がどう変わるのか。」という
私たちにとってのメリットではないでしょうか。
その部分があいまいだったり、
他の候補者との「違い」が伝わってこないことが多いと感じます。
自分が 有権者のために何をしようとしているのか。
そのために有権者に何を協力してほしいのか。
限られた時間だからこそ、シンプルな言葉で力強く伝えてほしいです。
以上、有権者の立場から、そして「伝わる話し方」の専門家の立場から
感じたことを書きました。
―伝える目的は何か
―誰に届けたいのか
選挙だけでなく、あらゆる「伝える」場面で忘れてはならないことだと思います。