伝わる話し方の専門家、小紫真由美です。
NHKの朝ドラ「あさが来た」で人気沸騰。
ディーン・フジオカさん演じる五代さま。
番組では、亡くなってしまいましたが、
そのセリフ、心に刺さりました〜。
五代友厚は、明治維新後、混乱する大阪経済を立て直し、発展の基礎を築いた人物。
志半ばにして
自身の余命がわずかであると察した五代が、
主人公の「あさ」の夫、新次郎に、言ったセリフです。
「戦(いくさ)のある時代に、
人の上に立つ者には「人に命令する力」が必要やった。
そやけど、今の時代の主(あるじ)に必要なのは『人の話を聴く力』です。」
新次郎には「聴く力」があると言う五代に対し、新次郎は返します。
「聴く力?そんなもん。(私は)『うん』とか『ふん』言うてうなずいているだけですわ。」
五代は言います。
「これ(聴く事)が得意な男は、なかなかいないのです。
でもあなたは自然とそれが出来る・・・。」
さすが五代さま。分かってらっしゃいますね・・・。
混乱した世の中や傾きかけた組織を短期間で立て直し、まとめる場面では、
強権を発動し、グイグイ引っ張るリーダーシップが必要です。
しかし、これから前を向いて進んでいこういう段階では違います。
そもそも組織は、様々な考え、価値観、利害を持つ人の集まり。
いわざバラバラの考えを持つ人達が、一つのチームとして、同じ目標に向かって進むためには
上に立つものが「こうしろ、ああしろ」と命令するだけでは引っ張れません。
大事な事は、一人一人がどれだけ、モチベーションや納得感を持って動けているか。
そこで必要なものは
メンバー同士のコミュニケーションであり、
リーダーの聴く力なのです。
五代は新次郎の持つ
人に慕われる徳、
「この人の言う事なら聴いてみよう」という、周囲からの信頼の厚さを見抜いていたのでしょう。
そして、その信頼は、
商売よりも社交に夢中のように見えつつも、商売仲間の話を、色メガネなしでじっくりと聴いてきた賜物だと思います。
人は
聴いてもらえると元気になります。
聴いてもらえると大事にされていると感じます。
聴いてもらえると、自分の本当の気持ちに気づけます・・・。
リーダーのための聴く力とありますが、
リーダーの部分を
親、教師、指導者、友人、、、いずれに置き換えても、同じことが言えるはず。
はあ、私も、まだまだ人の話が聴けません。
一生、鍛えていくしかないと思っています。