伝わる話し方の専門家、フリーアナウンサーの小紫真由美です。
先日、あるテレビ番組で、
宝塚音楽学校入学を目指す女の子たちの姿が放映されていました。
憧れの舞台人になることを夢見て、倍率20倍以上という狭き門をくぐろうと
全国から受験生が集まります。
その多くが、何年も連続で不合格となり、それでも夢をあきらめきれず挑戦しているのです。
番組では、、、
ダイエットができなくて苦しんでいる子や、
親の反対を押し切って受験を繰り返してきた子に続いて、
人前で話すことが苦手な女の子が紹介されていました。
宝塚では、面接官との質疑応答があり、適切に自分の意見を話す力が試されます。
そのため、彼女は、母親に面接官役になってもらい、受け答えの練習するのですが、
言葉に詰まって、なかなか上手く話せません。
「容姿端麗」であることと、舞台人としての資質が求められる宝塚で、
最終試験が「面接」であること。
意外に思う方がいるかもしれません。
でも、これは考えてみれば納得できます。
話し方には、その人の品性や内面が表れ、
話す内容を聴けば、熱意や成熟度が分かります。
受験生一人一人の資質を見抜きたいという宝塚の意図なのでしょう。
スピーチは、その人をそのまま映し出す鏡のようなもの。
だから、付け焼刃では間に合いませんし、テクニックだけでは、限界があります。
真剣に自分と向き合い、準備することが大事なんです。
合格発表の場。
残念ながら、話すことが苦手だった彼女の受験番号は、見つかりませんでした。
必死に努力してきたにもかかわらず、「宝塚の舞台」という夢がかなわず、本当に悔しいでしょう。
それでも、その努力は、今後の人生で、きっと別の形で花を咲かせると思います。
合格した人にも、不合格だった人にも、拍手を送りたいです。
それにしても・・・
どんな道を選んだとしても、
やっぱり「人前で話す力」や「人に何かを伝える力」が求められるのですね。
そして、話す力は、
この先、どんなに時代が変わっても、
ロボットが人の仕事を奪うようになっても、
決して奪うことができない、人間としての大事な力であり続けるでしょう。
私は、子どもの頃から、自分の考えをしっかり伝えられる教育が必要だと思います。
いつになるか分かりませんが、
子ども達のための「話し方教室」を開けるといいな・・・。