フリーアナウンサー&伝わる話し方の専門家、
先日、講演の仕事で
愛媛県松山市に行ったときのこと。
講演前の打ち合わせで、心が温かくなる出来事がありました。
主催の松山商工会議所の担当の方にご挨拶し、講演の流れを確認したあと、
控え室に通されました。
しばらくすると、担当の方(Yさんとしておきます)が部屋をノックして入ってこられました。
手に持っていたのは私のプロフィール。
ほとんどの講演や研修は、
講義の前に、主催者から講師のプロフィール紹介が入ります。
今回は、Yさんが司会を担当されるため、その内容を確認しに来られたのでした。
Yさんは
「小紫先生、かつての勤務先のテレビ局の名前ですが、正式にはなんとお読みするんでしょう。」
「この部分はかなり細かい情報になりますが、先生ご自身の自己紹介で話していただけるのでしたら、省いたほうがよろしいでしょうか。」
と、ミスがないように確認するのはもちろんのこと、参加者にとって分かりやすい説明をしようという心遣いがうかがえました。
ちなみにプロフィールは、事前にお送りしていますので、
当日は改めて確認せず、
渡した原稿を、そのまま読み上げる方が多いのが実情です。
ただ、中には、下読みをしていないせいか、
固有名詞(会社名)を言い間違えたり、
場合によっては、講師の私の名前を「こしば(小柴)さん」と言われる方もいます。
結構いらっしゃいます・・・(汗)
そんなとき、実は私、かなり「ガッカリ」しています。
講演前から、ガクンとテンション下がります。(もちろん、そんなそぶりはおくびにも出しませんが)
だって、事前にちょっと確認すれば済むことですよね。
講師って、たった1人ですよね。その名前を間違えるって・・・。
そもそも、それって、ご自分が担当する「仕事」ですよね。
これは「ちょっとしたミス」でなく、仕事に対する意識、心構えの問題だと思うのです。
今回担当してくださったYさん。
Yさんにとっては、普段通り、当たり前にやっていることだったと思いますが、
「ああ、この方は、一つ一つの仕事を本当に丁寧にやっているのだなあ。」と思いました。
そして、私自身のことも「大事にしてもらっている」と感じました。
一つ一つの仕事に心をこめて取り組むこと、
言い換えれば、仕事に愛を持って取り組むことが、大事だと思います。
どんな仕事にも、「だれかに役立つため」という目的が必ずあります。
それを意識していると、仕事が「流し作業」になることはないでしょう。
とても大事にされたと感じた私は、その日、120%のパワーで講演できたのでした。
Yさんからは、講演翌日、心のこもったお礼のメールを頂戴しました。
気分上昇(笑)
すっかりYさんファンになってしまいました。
いつもの仕事に「愛」を加える。あなただったら、どんなことができそうですか?