フリーアナウンサー&伝わる話し方の専門家、
小紫真由美です。
クレームって言葉を聞くと、ドキッとする方、
思わず身構える方が多いかも知れませんね。
でも、クレームが言いたくなるお客様の気持ちも分かる・・・というのが
今回の話です。(もちろん、悪質なクレーマーは除外したうえでの話です)
先日、取引先の方と打ち合わせがあり、待ち合わせをしました。
ですが・・
約束の時刻を10分過ぎても、先方の方が現れません。
連絡を入れようとして気づいたのですが、
なんと、うっかりして、相手の携帯番号を聞くのを忘れていました。(反省)
直接お会いするのはこの日が初めてでしたので、
前日も会社に電話をして、時刻と場所を確認したばかり。それで安心しきっていたのですね。
時間はどんどん過ぎていきます。
何かトラブルがあったのかもしれない。先方が時間を間違えているのかもしれない・・・。
しだいに不安になってきました。
そこで、会社に電話をして、ご本人と連絡をとってもらうことにしました。(会社の電話番号は知っていました)
さて、会社に電話を入れ、事情を伝えたのですが、
応対された方の話し方に「え?」と違和感を覚えてしまいました。
「分っかりましたあ。」
「確認とってみますう。」
「お待ちくださ~い。」
「はあい。」
というように、言葉や語尾が間延びした話し方だったのです。
実際に口に出してみると分かると思いますが、
どの言葉にも、「切実さ」が全く感じられませんでした。
その日は猛暑日でしたが、待ち合わせたのは日陰のない場所で、何分も重い荷物を抱え、
待っていました。
そして、時間がたつほどに不安や焦りが募りました。
ですが、電話に出た方の話し方(聞き方)は、あまりにのんびりしていて
こちらへの共感が感じられませんでした。
結果的に、その後まもなく、相手の方が到着して、
事なきを得ましたが、この体験で、クレームの本質が分かった気がしました。
クレームは、ミスそのものよりも、
その後の応対者の関わり方で発生する可能性が高い
待たされているという事実よりも、
そんな自分の気持ちを分かってもらえなかった、寄り添ってもらえなかったということが
相手の心を傷つけるからです。それが怒りにつながります。
ミスは誰にでもあります。
大事なことは、ミスをしたとき、いかに相手(お客様)の立場、気持ちに共感することができるか。
ただ「受け答え」するだけでなく「寄り添う」こと。
私も忘れないでいようと思います。