伝わる話し方の専門家、小紫真由美です。
先週末、新潟市内は、あちらこちらで桜が満開🌸
私も仕事に行きがてらに桜を観に行き、
仕事の帰り道も桜に会いに行き、
桜に酔いしれた一日でした。
さて、今日は 接遇やマナーの極意
について書いてみようと思います。
とはいっても、
「接遇とは〇〇である」
のように、ビシッと定義するつもりはありません。(^^;
「接遇やマナーって、つまりこういうものなんじゃないかなあ」
と、私に思わせてくれた、ある体験を皆様と分かち合えれば幸いです。
先日。
趣味のウォーキング(自称「町内子ども見守り活動)に、小学生の息子を
連れて行きました。
ちょうど強風が吹き荒れた後。目に留まったのは、風で倒れたたくさんの自転車です。
見過ごす気になれなくて、
私は横倒しの自転車を起こし始めました。
すぐに、息子も同じように自転車を立て始めました。
その後、二人で歩きだしたとき、
息子が言いました。
「ママ、こういうの、なんだか気持ちいいね。」
私も同じ気持ちでした。
さらに息子が言います。
「誰も見ていなくても、こういうの、気持ちいいよね。」
つまり、人の知らないところで、ちょっとした親切をすることが気持ち良い・・・ということを
息子は言いたかったのだと思います。
それは、人がいるところで何かをした結果、褒められて嬉しい
という感覚とは、似ているようで、ちょっと異なるものかもしれません。
大げさな言い方になりますが、
たとえ誰かに「ありがとう」と感謝されなくても、自分が誰かの役に立てたと感じる時点で、
すでに私達は「喜び」を受け取っていたわけです。
いわゆる接遇やマナーについても、同じことが言えるのではないでしょうか。
マナー研修では、「相手の立場に立って考え、行動することが大切」と教わりますし、
私も そう伝えています。
ただ、私は 接遇の極意としてもう1点、大事な要素がある気がします。
それは、まさに、今回私が体験したように、
相手のためにやった行動が結果として、自分自身の喜びになるというもの。
たとえば、心をこめてお客様をご案内した際、「ありがとう。」と言われたとき。
そして、たとえ相手から直接お礼は言われなくても、
お客様が喜んでいたという事実を知ったり、お役に立てたと感じられたりした瞬間、
私たちの気持ちは温かさで満たされます。
いわゆるビジネスマナーは、決まった型どおりに実践することが必要ですが、
一方で、完璧に近いマナー、言葉遣いが出来るにもかかわらず、
どこかしら窮屈さ、冷たさが伝わってくる人がいるのも事実。
「こうすべき」「アレはダメ」と細かい形にこだわりすぎるあまり、
本質を見失っては本末転倒です。
接遇マナーで一番大事なことは、
状況や相手に応じた、心が伴った対応です。
マナーは、あくまで、私たちの中にある相手への気持ちや優しさを
表現する手段。
そして、心を表現したとき、不思議なことに、相手だけでなく自分自身も
温かいもので満たされるのだと私は思います。
「私たちは、人に何かをしてあげるって思いがちだけれど、
『させてもらっている』のかもしれないねえ。」
という私の言葉、息子が理解したかどうかはわかりませんが(汗)
心がじんわりと温かくなった春の日でした。
鳥屋野潟スポーツ公園(新潟市)。この時期、初めて訪れましたが、広い敷地内に
桜の見どころが多く、一日ゆったり過ごしたくなります。
来年も また会えますように。