「伝わる話し方の専門家」、小紫真由美です。
仕事柄、全国の色んな市町村を訪れる機会があります。
そんな中、感じるのは、
「ここ数年、全国どこへ行っても、似たような光景が増えたなあ」ということ。
タクシーで目的地に向かう途中、
目に入ってくるコンビニにドラッグストアやファミレスのチェーン店が続くと、
新潟の我が家の近所にいるような感覚になることも、しばしばです。
だからこそ、「他にはない、その地域だけの景色や体験」は、
大きな魅力に映ります。☆
でも、その地域で長年暮らしていると、そこに気づきにくいかもしれません。
「当たり前の光景」になっているからです。
私が暮らす新潟でも、
「新潟ってこれといった見どころがないよね。」
「県外から来た人を連れていく場所が少ないよね。」などと自嘲気味に話す人が結構います。
こんなに良いところなんですけれどね・・・。
先日行った福井では、地元の方が
「福井には新幹線が通ってないから、発展から取り残されちゃって・・・。」
「町が元気ないでしょ。」とおっしゃるのを聞きました。
いやいや、そんなことあらへんよー!(・・・と急に関西弁)でy突っ込みたくなりました。
福井、とっても素敵な所でした。
また行きたい☆と思うほどです。^^
仕事前、福井市の街中を散策しました。
福井駅から歩いて間もなく、
お堀にかかる橋を渡って、その先に見えてきたのは・・・
こちら、福井県庁です。
・・・実は、県庁が、福井城址内・・・つまり、お城の跡に建っているんです!
このように、史跡と県庁の建物が 普通に隣り合わせに。
何これ!めっちゃ、おもしろいやん!(興奮したら関西弁になります)
誰かとこの感動を分かち合いたいっ!と思いながら、
写真を撮りまくり、グルグル歩き回りました。
当然ですが、市民の皆さん、何事もないように敷地内を歩いています。
(駅までの近道として通る人もいます)
地元の人にとっては、「当たり前」の日常なんだなあ。へーーー。(*^^*)
そして、県庁から数分の場所にある「養浩館(ようこうかん)庭園」。
江戸時代の越前福井藩主 松平家の別邸で、
大きな池を囲み、広がる日本庭園と、池に建つ数寄屋造りの建物が特徴です。
建物の中には自由に入ることができ、
座敷に座って好きなだけ、庭を眺めていられます。
江戸にタイムスリップしたような感覚になり、
時間のたつのを忘れました。
街中に、こんなに広くて美しい場所があるなんて、素敵ですね。
さて、散策の終わりに、観光案内所で紹介された
こだわりのコーヒーショップに行こうとしたのですが、なかなかたどり着けませんでした。
炎天下、歩くのも疲れたなあとあきらめかけた時、
向こうからやってくる女子中学生二人連れを発見!
ダメ元で店の場所を尋ねると、
「あー、あそこだ!」
「すぐそこです。一緒に行きますよ」と、案内してくれるではありませんか。
新潟から来たと言うと、「え?新潟、地震大丈夫でしたか?」と心配してくれて、
ジーンとしました。
福井の方は、温かいなあ・・・。
そう。旅先での最大の楽しみは
地元の方との、こういう「触れ合い」なんですよね。
女の子たちのおかげで、目当てのコーヒー屋さんに無事到着。
ありがとう。ありがとう。
こちら、VENGA!COFFEE(ヴェンガコーヒー)は、
店内で焙煎したコーヒー豆を販売しているお店なのですが、
ハンドドリップしたコーヒーをテイクアウトすることもできます。
入れたてのコーヒーは香りも味わいも最高で、探し訪ねた甲斐がありました(^^♪
たった2時間半ほどの散策でも、
こんなふうに、色んな「素敵な場所・コト」に出会え、心が満たされました。
モノ消費からコト消費と言われていますが、
商品より、人との出会い、触れ合いや、そこでしかできない体験に価値を見出す人は多くいます。
「外から来た人だから、そんなふうに言うんだよ。」と思うかもしれませんが、
私は、「よそ者」だからこそ、客観的かつ素直に、 その街の特徴を感じ取れるのだと思います。
自分の長所にはなかなか気づけないように、
自分達の住む地域のことも、自分達では、気づけなかったり、過小評価してしまったりするものです。
でも、それは、
外から見れば、素晴らしい魅力であり、人を惹きつける宝である可能性があります。
もちろん、何もしないまま、多くの人が集まってくれる・・・という単純な話ではないですが、
それぞれの地域には、
魅力的な活動や仕事に取り組んでいる方も、素敵な「財産」も数多くあります。
まずは、そこに住む方が、「これって、当たり前かな?」と、
地域にあるものを見直し、問い直してほしい。
そして、もっと発信し、自慢し、
魅せる工夫をしてほしい。
そう思います。