伝わる話し方の専門家、小紫真由美です。

「伝え方ひとつで、人間の生死が変わる可能性がある」

そう感じる事例が、

先日のNHKニュースで紹介されていました。

 

日本列島に大きな被害をもたらした、今回の台風19号。

台風の前日、気象庁は会見を開き、

「昭和33年の狩野川台風に匹敵する記録的な大雨となる恐れもある」と伝えました。

しかし、
台風の後、専門家が行ったアンケートによると、
なんと6割近くの人が
「イメージがわかなかった」と答えていることが分かったというのです。(NHKニュースより)

 

気象庁は、

実際にあった台風の名称を出すことで、国民に危機感を持ってもらおうとしたわけですが、

皮肉にも、逆の結果を生んでしまったようです。

 

このような結果になった理由は明らかです。

 

昭和33年という
大多数の人が経験してないであろう、はるか昔の台風の名前を出されて、
「それに匹敵する」と言われても、

ピンとくるはずもなく、差し迫った感覚は持ちづらいでしょう。

 

人はリアルにイメージできないことには、心が動きませんし、、行動にもつながりません。

 

では、

何を どのように伝えればよかったのか。

 

今回の台風であれば、

 

ーどれぐらいの規模の台風が起こりえるのか

ーどれぐらいの被害が想定されるのか

ー(過去の似たような台風を例に挙げるならば)当時、主に被害を受けた地域は?

ーその地域に、どんな地形的な特徴があったのか

ーその台風で得られた教訓は何か。

ーその教訓を活かして、絶対に気を付けてほしいことは?

 

・・・・などを具体的に伝えることで、
視聴者の危機意識を、より喚起できたのではないでしょうか。


狩野川台風の様子(国土交通省HPより)

 

伝えることを生業にして20年以上たちますが、改めて

言葉の持つ影響力や

「相手に届く伝え方」の大切さを強く感じました。

 

ー相手の立場に立って伝えるー

 

口で言うのは簡単ですが、

そのためには、

伝えたい相手のおかれた状況や事情を思いやり、

「自分が伝えようとすることが、相手にとってどう捉えられるかを
想像する力が欠かせないのです。

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