伝わる話し方の専門家、小紫真由美です。
「コーチングの後、ず~っとモヤモヤしていて。自問自答を繰り返しつつ、
人に話を聞いたり、勉強会に参加したりする中で、
アッ!これだ!という答が見つかったんです。」
高揚した表情で伝えてくれたのは、クライアントの社長さん。
前回のコーチングの際、コーチである私が投げかけた「質問」に対し、
「う~ん。」と言ったきり、黙り込んでしまったのです。
会社の今後を左右する重要な問いかけです。
その答は社長自身が出すもの。
私が「教える」わけにはいきません。
その日のセッションは明確な返答がないまま終了。
社長曰く「小紫さんの質問が、頭の中に残ったまま、でモヤモヤしながら」
いろんな本を読んだり
講演に行ったり
知り合いの社長数人を尋ね、話を聞いたりしたそうです。
とにかく、いろいろと動いてみたんですね。社長さん。
こうやって、
動いては自問自答を繰り返す中で、
「これだ!」という自分の思いと言葉が溢れてきたのだそう。
沈黙の時間が続いた前回とは、別人のように
止まらぬ勢いで、ビジョン実現のための計画を語ってくれました。
どこかの本や誰かが言った、カッコいい言葉じゃなく、
社長自身の内側から出てきた思いそのものだから、確信に満ちています。
だから、聞いているこちらも、惹きつけられます。
改めて、「質問」の持つ威力を思い知りました。
質問されると、私たちは、頭で考え、答を出そうとします。
答が出るまでの間は、脳の中に「空白」のある状態です。
私たちの脳は、
この、満たされていないすき間を埋めるため、あらゆる情報から、
質問の答を探し出そうとする「検索機能」があります。
見るもの、聞くもの、自分の記憶・・・あらゆる情報から検索するわけです。
社長にも同様のことが起きたのでしょう。
自分で納得できる答にたどりつけた結果、本人が実現したいビジョンが一気に明確になりました。
どこかから借りてきたような、立派な言葉を集めただけのビジョンと
自分自身の内側から湧いたビジョン、
どちらが熱を持つか、社員やお客様の心に響くか、それは言うまでもありません。
本物のビジョンは、本人だけでなく、周りの人を巻き込む力を持っています。
一つのパワフルな質問が、
人の行動や未来(人生)を変える力を持っているのです。
コーチとして、たゆまず質問力を磨いていこうと思います。