伝わる話し方の専門家、小紫真由美です。
リビングで息子がおもちゃの刀を振りまわして遊んでいます。
その様子を見ていて、息子に話しかけました。
「チビ太(息子のこと)、あなたって本当に、、、、。」
夢中になっていた息子が、動きを止め、ジッとこちらを見ます。
「本当に、、、、 最高だね!」
その瞬間、息子が満面の笑みで言いました。
「あーー、良かったあっ!
お母さんが 『本当に、、、』と言った後、
なんて言うか、ドキドキした!」
そして 再び、夢中で遊び始めました。
このエピソードが物語るのは
話の途中、一瞬の間をとることで
相手の関心をグッと引き付ける
ということです。
もし仮に私が一切の間を設けず、
「あなたって本当に最高だね!」と一気に伝えていたら、
息子に「あなたは最高だ」というメッセージは どれほど伝わったでしょうか。
気にも留めず、手も止めないまま、遊び続けていたかもしれません。
話し手が話の途中で「間」をとることで、聴き手には
「このあと、何を話すんだろう」という関心や
「話の先を聴きたい!」という集中力を一気に高めます。
他にも、間は 相手に考えるスペースを与えます。
たとえば、話し手が
「ドキドキしながら、ドアを開けました。そこにいたのは、、、、 」
と一瞬、沈黙する(間をとる)ことで、
聴き手に何が起こるか。
間違いなく、
「ドアの向こうにいるのが誰だろう?」と、頭の中でアレコレ想像するでしょう。
つまり、「間」をとることは、
聴き手を話の中に参加させる効果を生むのです。
これは
聴き手と対話ができているという状態です。
ちなみに
プレゼン研修の際、受講生からよく
「早口を直したい」
という相談を受けます。
「早口のせいで、ちゃんと聴いてもらえてない気がする」
「自分の話が相手に伝わっていない気がする」と考える方が多いのですが、
私は 早口よりも、むしろ、
「間がない」ことの方が気になります。
もちろん、
何を言っているか聞き取れないほどの早口や、
早口のせいで活舌が悪くなっているケースは
改善したほうがよいでしょう。
でも、少々の早口であれば、
それだけを気にするよりも、
しっかり間をとることで、相手を自分に惹きつけ、話に「参加」してもらうほうが
はるかに大事だと思います。
通信販売大手のジャパネットたかたの創業者
高田明氏が、
テレビ番組のインタビューで言っていました。
「間の取り方で売り上げが5倍変わる」
トーク1つで、
爆発的に商品を売り上げる
プレゼンの名手は、やはり
間の大切さを知り抜いていました。
さあ、
あなたのトークに
「間」はありますか?
あなたは「間」を
どのぐらい使いこなしていますか?