「伝わる話し方の専門家」小紫真由美です。
「こむは、自分を否定する癖があるよね。それ、やめたほうがいいよ。」
久々に会った古くからの友人が、改まった表情で言いました。
・・・ビックリしました。
ちなみに、「こむ」というのは私の愛称です。
自分を否定?私が?まさか・・・。
自分では、全く そんなつもり、ないんです。
「え?そうかなあ・・・。」と納得いかない様子の私を見て、
友人は、具体的な「証拠」をあげました。
「昨日、私があなたの仕事ぶりを褒めた時も、『いや、全然たいしたことないよ。』とすぐ否定したよ。」
「同じようなこと、何度もあったよ。」
・・・そう言われると、確かに、そんなことを口にしていた気がします。
いや、でも、それって、自分を否定しているってことじゃなくて、
もっと頑張らなきゃ!っていう気持ちの表れなんだけどな。
傲慢で「私はすごい!」って言うよりマシだと思うんだけど・・・と
頭の中であれこれ考えていたら、
彼女が続けました。
「あのね、『こむはすごいなあ。こういう所が良いところだなあ。』と
本気で思ったから素直に伝えたのに、
それを速攻で否定されたら、すごく寂しい気持ちになるの。」
ガーン!
そうか。そういうことか・・・。
つまり、私は無意識、無自覚のうちに、
彼女の素直な思いまで否定していたってことなんです。
友人の私への気持ちは純粋なものなのに。
ごめんね。
私はいったん、「ありがとう。」と受け止めるべきでした。
大事なことを忘れていました。
そして、友人ならでは・・・の貴重なフィードバックをくれたことに
感謝いっぱいです。ありがとう。
後になって思いました。
彼女の指摘(フィードバック)を
素直に受け入れることができたのはなぜだろう?と。
結論から言うと、それは、お互いの間に
「信頼関係があること」に尽きると思います。
「この人は私の味方」
「本気で自分のことを思って言ってくれている」
「根底に、自分への愛情がある」
という前提があるから、相手の発言に耳を傾けられるのですよね。
私たちは多くの場合、
注意をした相手が
素直な態度で受け入れない時、
そんな相手の態度を「問題だ」と思い、非難したくなります。
でも、今回の経験を通じ、
自分の思いを受け入れてもらうには、
相手との間に「信頼関係」があることが何より大事だと気づきました。
この場合、
自分が「信頼している」というよりも、
「相手が、こちらのことを信頼しているかどうか」が大事です。
厳しさも含め、本気で相手の成長を願ったフィードバックができるような
人間関係こそ、大事ですね。