新潟在住のフリーアナウンサー&伝わる話し方の専門家、
小紫真由美です。
先日、あるイベントの司会をした時の事。
若いスタッフの仕事ぶりに、感銘を受けました。
それは本番直前のタイミングでした。
司会者にとって
最初の話出しの言葉をイメージしたり、アナウンスの流れを確認したり、
最も意識を集中している時です。
(イメージ写真)
まもなくマイクの前に進もうとしている、その時に、
女性スタッフが私のそばにやってきました。
本番前に進行内容が変更して、急きょアナウンスも変わる。
その指示が飛んでくる、、、ということはよくあることなので、
今回も、「何かあるんだな、、、。」と思いました。
次の瞬間。彼女の言った言葉に、私の耳がピン!と立ちました。
私の横にかがんだ彼女は こう言いました。
「小紫さん、お忙しいところ、すみません。〇〇の件で一点ご相談があります。」
その瞬間、耳の穴が開きました。
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〇〇の件で、一点、ご相談があります。
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この一言で
「大事なことを言おうとしているんだな。ちゃんと聞かなきゃ。」という心構えが出来たのです。
彼女の簡潔な報告が続き、おかげで素早い判断が下せました。
相手がほかのことに集中している。あるいは忙しいという状況で
こちらに意識を向けてほしいときは、
相手が 手を止めて、こちらを振り向くような関わり方が大事です。
しかし、実際は、相手の状況を考えず、自分のペースで
自分が言いたいことを ダラダラと伝える人が少なくありません。
間もなく本番という
時間がない時に、「あのですね。台本では〇〇となっているんですが、△△という事態になりまして、、、。」
というように、起承転結型の報告や要領を得ない相談や報告をされると、ヤキモキします。
それどころか、
「今、このタイミングで伝えるべき内容じゃないよね。後でも良かったよね、、、。」という報告をする方もいて、なんとかならないかなあと思います。
この話を、組織でマネージャーをしている知人に話したところ
大いに共感していました。
「忙しい時に、要領を得ない話をダラダラされるのは本当に困る。
『ちょっといいですか?』で始まり、ちょっとどころか何分も言いたいことが分からない相談を
聴かされることも多い。
逆に、『今、1分ほどお時間よろしいですか。』とか『〇〇の件でご相談したいことがあります。』
というように、先にポイントを言ってくれると、今聴くことかどうか、こっちが判断できるから
有難いんだよね。」
そう彼女は言っていました。
相手に対して、何かを話すことは、相手の貴重な時間を割いてもらう行為です。
だからこそ、私達には
短い時間で
相手にとって大事なことを
分かりやすく
伝える技術が
求められるのですよね。
たかが 報告・相談ですが、その方の仕事への姿勢も垣間見えますし、
伝え方次第で、相手への信頼が大きく変わってくる。
そう思います。