伝わる話し方の専門家、小紫真由美です。
経営者への「スピーチコーチング」 の現場にて。
用意した原稿を
滑らかに読み上げてくださる。
でも、なぜか胸に響くものがない。
色んな語彙を駆使して、
長々と話してくださるのに、
どうにも響かない、伝わらない…。💦
なぜ??
その方の口から出てくるのは、
キレイでカッコいい言葉ばかり。
確かに「耳障り」は良いのだけれど、
何かが残るか?と問われれば、正直、残らない。
たとえば、他社の経営者が このスピーチ原稿を借りて、そのまま話したとしても
何の違和感もないだろうと思える内容でした。
つまり、
本人にしか言えない、「この人ならでは」の言葉がなかったということなんです。
聴きたいのは、
本当の想い(本音)。
どこかから借りてきたような、カッコいい、立派な言葉じゃなく、
社長のぶっちゃけた思いが聴きたいんです。
「社長、親しい友人に話すつもりで伝えてみてください。
そんな立派な、堅苦しい言葉で話さないですよね・・・。」
いろんな角度から問いを投げかけ、
最後の最後で社長から飛び出した
「◯◯したいんですよ!」という一言は、
それまで話した長いスピーチよりも
はるかに心に響きました。✨
その人にしか言えないメッセージは必ずあります。
でも多くの場合、
そのメッセージは、本人の「カッコよく話さなきゃ」「キレイに伝えなきゃ」という意識にジャマされ、
見えないことが多いんです。
そして、「カッコよく見せよう」とすると、スピーチはとたんにつまらなくなります。
私の役割は、本人の深いところで見えなくなっている「その人にしか伝えられないメッセージ」を
一緒に「掘り出す」こと。
言葉をこねくりまわすのでなく、掘り出す。
スピーチは教えるものではなく、引き出すもの。
そんな感じで仕事をしています。