新潟在住のフリーアナウンサー&伝わる話し方の専門家、
小紫真由美です。
前回は
ある日いきなり
「ゲームがほしい!」と言い始めた我が家の息子に対し、
「買うか、買わないか、どうするのが一番良いか一緒に考えよう」と話し合いを持ちかけた
ところまでお話ししました。http://self-promotion.jp/?p=6537
今日は私と息子のやりとりを題材に、
こじれがちな話し合いがスムーズにいくコツをお伝えします。
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前回も言ったように、それは誰でもできるシンプルな方法です。
まず、紙とペンを用意します。
紙は字を書くためですが、お互いが見やすいように、最低でもA4サイズ以上がおススメです。
さて、この紙を使ってどうするかと言うと、、、
まず紙の真ん中に一本の線を引きます。
そして、線で分けた左右の空白に、
ゲームを買うことによるメリット、デメリットを書き出します。
※子どもにも分かるよう、「いいこと」、「よくないこと」と書きました。
子どもと一緒に、思いつくままに書き出していってよいのですが、
注意することは、大人だけが意見を出さないこと、
子どもにも十分に考えさせ、発言させてあげること。
そうでないと、「親の都合がよいように話を進められた、、。」と子どもが感じてしまうからです。
子どもだけでは思いつかない場合は、大人がヒントを出したり、
「こんなこともあるんじゃない?」と質問したりしてもオッケーです。
これが実際に使った紙。(何かの裏紙です)
見せることを前提に書いてないので、かなり雑ですね(汗)。
え?こんなやり方で、
話し合いが上手くいくの??と疑問に感じた人もいるかもしれません。
大丈夫です。
少なくとも、口だけの話し合いよりも、格段にスムーズに、冷静に話し合えます。
なぜか。
それは、紙に書くことで、話し合いの過程が「見える化」され、共有されるからです。
紙に書かず、口頭で意見を言い合う場合、
テーマから話がずれたり、論点がすりかわったりする、、、などということがよく起きます。
たとえば、
「誕生日のプレゼントはいらないから、代わりに、今、ゲーム買ってくれる?」
と、子どもが思い付きで言ったことに対し、親が
「前も同じような約束したけど、結局、誕生日も何か買ってくれとゴネたでしょ?」と返し、
そこから、「言った」、「言わない」の話になってしまったり。
あるいは、
「だいたい、なんで皆が持っているのに僕だけ買っちゃダメなの」
という子どもの発言に親が反応してしまった結果、
「ゲームを買うか買わないか」という本来のテーマから、どんどん脱線していったり。
口頭での話し合いは、どうしても、相手の発言につられる、反応するということになりがちで、
結果、「今、自分たちが何を話すべきか」に集中できない欠点があります。
テーマや発言を紙に書き出し、それを見ながら話し合えば、
たとえ話が脱線しても「今はこれを話し合う時だよね。」と修正できますし、
相手が感情的になり、同じ発言を繰り返しても
「それはさっき言ってたことだよね。」と、前の発言を示しながらフィードバックできます。
話した内容やプロセスが「見え」、かつ共有できるので、
問題を客観的に眺められます。
その結果、落ち着いて考えられ、納得した結論を出しやすくなります。
さて、一通り書き出した紙をじーっと眺めていた息子、
「、、、ってことはさあ、ゲーム買ったとしたら、ゲームやるために
ほかの遊びが出来なくなるもんなあ、、、。それはいやだ。」
と一言。
「ゲーム持っている子の話に入れなくてもいいの?」と尋ねると
「うん。そのときは、ゲーム持ってない友達と話するわ。」
ここで、その日の話し合いが終わりました。
それ以来、息子の口から、ゲームの話は一度も出なかったのですが、
先日、気になって「ゲームの話、どうなった?」と尋ねてみました。
「あー、もういいわ。オレ、ゲームそんなに欲しくなかったみたい。」ですと。(笑)
感情的になっていた頭を冷やすうえでも、効果があったようです。
今回お話したのは、会議や話し合いをスムーズに進行するスキルである
「ファシリテーショングラフィック」をちょこっと活用した方法。
「ファシリテーショングラフィック」については、様々なや技法があり、専門書も出ていますので、
興味ある方は検索してみてください。
平行線で結論が出ない話し合いや
議論がかみあわない会議に困っている方は、ぜひ
紙とペンを用意して(会社ならホワイトボードがおすすめ)
話し合いの見える化、共有をやってみてくださいね。
堂々巡りの無駄な時間が減って、ゴールが近づきますよ。