伝わる話し方&PRの専門家 小紫真由美です。
口で言うだけなら簡単。
でも、いざ、その立場になったときに、それが実践できるどうかは別問題。
先日、そのことを実感する出来事がありました。
晴れた日曜日、息子を連れて公園へ出かけました。
鉄棒の練習をするためでした。
うちの子、逆上がりはもちろん、前周りもまだ出来ないようで、
これはさすがに教えてやらないといかんなあ・・・と思ったわけです。
公園につくと、鉄棒のところには先客がいました。小さな男の子とその両親らしい3人連れ。
思わず、足がすくむ息子。「誰かがいるところでやりたくない。」と言います。
自分が出来ない姿を人に見られるのがいやだったのでしょう。
その気持ちは分かりますが、
休日に、誰もいない公園を見つける事自体、難しい。
「ママがそばにいるからだいじょうぶだよ。」と背中を押しました。
果たして、そこにいたのは、
以前何度か見かけたことのある男の子とそのご両親でした。
挨拶のあと、当然にように、親同士はしばらく雑談が続きました。
息子は複雑な気持ちだったでしょう。
知らないお子さんではなく、見覚えのある子だったのですから。
しかも、その男の子は自分より一歳年下なのに、器用に前周りをこなし、逆上がりの練習をしていました。(汗)
息子は、その子の前で、自分ができない前周りの練習をするのが嫌だったと思います。
「僕は、逆上がりの練習をする。」と言って、モジモジしているのです。
前周りもできないのに、逆上がりどころではないのですが・・・。
私は、「チビ太(息子)は、保育園のときも園庭がなかったし、今の学校も鉄棒する時間が短かったんだから、できなくても全然恥ずかしくないよ。
水泳だって上手だし、できることいっぱいあるんだから、鉄棒だって、やれば絶対できる。」と
励まし(?)
練習を始めようとしました。
そこで気になったのが、例の男の子です。
息子のそば(同じ鉄棒)にぴったりくっついて、離れようとしないのです。
男の子は、(おそらく親切心からでしょう)「こうやるんだよ。と息子の横で
何度も前周りをして見せてくれました。
息子は自分も挑戦するのですが・・・
鉄棒に飛びついても、なかなかうまく回転できません。
ずるずると鉄棒から身体を落とし、「お腹が痛い・・・」と動きを止めてしまうのでした。
その間も、隣では、ずっと男の子が前周りを続け、息子に話しかけます。
息子も私も気にならないわけがありません。
親子2人で、マイペースで練習する予定が、なんとも困った展開になりました。
今思えば、ここで一旦 練習をやめるなり、その場を離れるなりすればよかったのです。
でも、その日は予定があり、時間が限られていた事もあって、私は、そういう選択をしませんでした・・・。
そして、男の子から決定的な一言が、息子に向けて放たれました。
「まだ前回りもできないの?」
息子の表情が変わるのが私にも分かりました。
「うん。これから出来るようになるために練習するからね。」
そう言いながら、正直、私もムカムカしていました。
ご両親は、離れたところにいるのか、このやりとりに入ってきませんでした。
ふと息子を見ると、照れたような精一杯の笑顔を作りながら、
目にはいっぱいに涙がたまっているではありませんか。
「もう〜!!」
息子の気持ちを思う痛みと説明できないいらだちが入り混じり、
私にスイッチが入りました。
「チビ太、大丈夫だよ。やればできるんだから。がんばろう!」と、それまで以上に「熱心に」教えはじめたのです。
その間も、男の子から、またもや「まだ出来ないのお?」という声。
私は、もうそれには答えませんでした。
しばらくして男の子達が 公園からいなくなった途端、息子は・・・。
続きは次回で。
失敗はしないに越したことはありませんが、
凡人の私は、失敗から学んで次に進むしかありません。
そのためにも、起きた事をしっかり振り返ろうと思います。