「伝わる話し方の専門家」、小紫真由美です。
前回のブログで
「教わる立場」を体験したことが、
私のコーチ力・指導力を高めてくれた
と書きました。
教わる側に立って痛感したのは、
指導者やコーチの 言葉や関わり方が
いかに教わる側のモチベーションや成長に影響するか
ということ。
では、具体的に、指導・育成する側は、どんなことを意識すればよいのでしょうか。
結論から言うと、それは
「相手の成長や長所を認める」
これに尽きると思います。
しかし、これは口で言うほど簡単なことではありません。
褒めること、認めることが大事だと頭で分かっていても、
なかなか実行できない・・・という方も多いのではないでしょうか。
それには、理由があります。
すでに「出来る存在」になっている育成者からすると、
受講者やクライアントは、まだまだ発展途上。(当たり前ですが)
いわば、「出来ていないことだらけ」に見えてしまいます。
そして熱心な指導者ほど、こんなセリフを多発しがちです。
「ここが出来ていない」
「ここがまだ直ってない」
「そうじゃなくて、、、」・・・など。
お気づきの通り、なぜか全てが否定語、ネガティブワードです。(汗)
未熟な受講者ほど
「出来ていないこと」を指摘される回数も多く、ネガティブな言葉を浴びることになります。
ただでさえ、
相手は「できないこと」への焦り、「成長しないこと」への不安を抱えがちです。(教わる立場の私がそうであるように)
そこで、さらに「できていない」と言われ続けると、自信もやる気も、どんどん失われていきます。
一方の、育成者には、当然、「相手をへこましてやろう」なんて悪意はこれっぽっちもありません。
むしろ、「なんとか出来るようにしてあげたい。」
「スキルを伸ばしてあげたい。」と、懸命に関わっただけなのです。
ただ・・・目の前の受講者をなんとか伸ばそう!と考えている熱心な指導者は、
相手の気持ちにまで、なかなか思いが至らないわけです。
私も講師やコーチとして、この点で何度も失敗してきました。(涙)
だからこそ、常に自分に言い聞かせています。
「相手の不安な気持ちに思いを馳せ、寄り添おう」
と。
そして、相手の気持ちをサポートするため、一番大事なことが
「相手の成長や長所を認める」ことなんです。
どんな些細なことでもいいのです。
以前と比べて良くなったこと、取り組み姿勢、相手の強みなど
しっかり相手を観察すれば、必ず何かに気づきます。
そして、気づいたことは、その場でちゃんと言葉にして伝えることが大事です。
こちら側にとっては、何気ない言葉でも、
教わる側にとって、自分の成長や長所を指摘してもらうことは、大きな励みになり、
モチベーションをグンと高める特効薬なのです。
2回にわたってお伝えしてきましたが、
コーチや指導者だけでなく、
上司や保護者など、人を育成する立場にある方には、
ぜひ心に留めておいていただきたいと思います。
そして、相手の気持ちを忘れないためにも、何かを習うなど
育成される側の立場を経験することを 心からおすすめします。
あなたの関わり方が
あなたの言葉が、
相手のパフォーマンスを変え、人生を変える力を持っています。